オリンパス ペン 初号機 オリジナル革製速射ケースOLYMPUS

初代オリンパス・ペン（1959年発売）と、貴重なオリジナル革製速射ケースのセットです。

高度経済成長以前の日本では、カメラはともかくフィルムも高く、写真撮影が庶民に普及しなかったため、打開策が考えられ、戦前から海外で採用されてきたハーフサイズで撮影できるカメラとして、オリンパスが開発したコンパクトカメラが「オリンパス・ペン」です。通常の35mmカメラの2倍の枚数を撮影可能なペンは爆発的に売れ、他のカメラメーカーはこぞってハーフサイズのカメラを開発しました。

ペンの設計は、庶民でも買える「6千円」（当時の大卒初任給1万2千円の半分）という価格が設定され、当時新人だった米谷美久氏に任されました。氏は、ペンを単に庶民向けの安いカメラではなく、プロがサブカメラとして使えるものとして設計し、撮影で最も重要なレンズは本格的なもの（テッサータイプの4枚玉）を搭載するために、数々のコストダウンのためのアイデアを駆使したそうです。

初代のペンにはいくつかのヴァリエーションがありますが、この個体は、ストラップピンが片耳であることと、レリーズボタンの意匠などから、最初期のオリンパス本社製のものであると思われます。

速射ケースは、初代ペン専用に作られていて、ピッタリと収まります。

コンディションは、以下のとおりです。

本体は、いたみやキズなどがありますが、機能としては、すべて作動しています。

レンズは、D.Zuiko 28mm / F3.5（35mmでの50mm相当）です。レンズにキズ、カビ、クモリはありません。ホコリは少しありますが、撮影に影響の無いレベルです。マルミの22.5mm用UVフィルタが付属しています。

シャッターは、ペン専用にコパルが開発したもので、1/200 ~ 1/25sec + Bとなっていて、全速作動します。（精度については、クラシックカメラのため保証はできません。）

絞りは、4枚羽根です。

フォーカスリングはスムースに回ります。（ピントは目測）

ファインダも可視性は良好です。

巻き戻し、フィルムカウンタ、裏蓋開閉なども、正常に作動します。

裏蓋のモルトは、交換済みです。

速射ケース本体は、年代的にわりときれいです。革製ストラップは、くたびれていて脆くなっているため、終端をボンド止めしてあります。